林:今、ご長男(柄本佑さん)もご次男(柄本時生さん)もすごい売れっ子ですが、「役者の仕事をやりたい」と言ったとき、「潜在的失業者」っておっしゃったんですか。

柄本:「役者やりたいんだけど」とか、そういう会話は何もなかったです。うちの長男が中学1年だか2年のときに、うちのカミさん(女優の角替和枝さん)のマネジャーが、「オーディションがあるから佑ちゃんを出したいんだけど」と言ってきて、それで行ったら入っちゃったんですよ。それが「美しい夏キリシマ」という映画で、下の子も、何かのオーディションがあって、それに出したいっていうんで、行ったら入っちゃって。気がついてみれば、佑なんかもう30歳だから、十何年この世界でやってるわけですよね。

林:「親の七光り」とか言われる前に、もう役者をなさってたんですね。

柄本:どうなんだろう。佑は夏休みに2カ月ぐらい一人で撮影現場に行ったんですよ。映画って縦社会で、朝が早くてきちんきちんとした生活だし、原田芳雄さんだの石橋蓮司さんだの、そういう人たちがたくさんいる中で緊張したんでしょう。反抗期に入っていたのに、すっかり「いい子」になって戻ってきましたね。

林:映画の現場は楽しいと聞きます。

柄本:そうですね。僕なんか撮影所をあんまり知らない世代ですけど、なんかいいですね、映画ってやつは。

週刊朝日  2017年6月9日号より抜粋

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