日報には「戦闘」と書かれていたのに、「武力衝突」と言い換えて答弁し、野党から集中砲火を浴びたのは記憶に新しい。この日報の電子データが昨年末、統合幕僚監部で保存されているのがわかり、問題化した。
ところがここにきて、情報公開請求に対して廃棄を理由に不開示決定していた陸自内の複数のコンピューターにも、日報の電子データが保存されていた事実が判明したのだ。
しかも統幕で日報が見つかったときには、稲田氏には1カ月間も報告されず、蚊帳の外に置かれた。身内の官庁とも信頼関係を構築できず、もはや稲田氏は大臣として機能不全状態だ。
日報を情報公開請求したジャーナリストの布施祐仁氏が指摘する。
「稲田氏は隠蔽の事実はないと国会で答弁し続けてきましたが、それも崩れました。森友問題とも共通しているのは、調べればすぐにわかることをやろうとしないこと。事実をあまりにも軽視しています。結論だけ言って、後は信じなさいというスタンスでは、国民は到底納得しません」 (本誌・亀井洋志)
※週刊朝日 2017年3月31日号より抜粋