夫のキックさんは、お笑いコンビ「松本ハウス」で「ボキャブラ天国」(フジテレビ系)などに出演し、人気を博した。知り合った当時、妻の瀬里菜さんは子役出身で舞台を中心に活躍。15歳も年の離れた夫婦の自宅玄関には、プリクラのコラージュや家族の写真が飾ってある。その写真立てに象徴される、二人の微妙な力関係とは!?
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妻:うちに来た人は、まず玄関の写真を見て笑いますね(笑)。
夫:やめてほしいんです。僕のキャラじゃないから。
妻:ハハハ。プリクラ写真に「ばかっぷる」と書いたのは私です。
夫:できれば隠したいんですが、嫁がドーンと飾るんですよ。
――なれそめは10年前。夫が出演する舞台の打ち上げの席だった。ミュージカル「アニー」に出演するなどキャリアの長かった妻。偶然隣り合わせた夫に、仕事の悩みを打ち明けた。
妻:知り合いが出演していたので、流れで私も打ち上げに参加。当時は本当に悩んでいたので、意見を聞きたくて、人に会うごとに相談していたんです。
夫:えっ!? あれは僕だけじゃなかったの……。
妻:そうよ。
夫:うわっ、10年目にして初めて知る真相。俺だから相談されたんだと思っていたのに……。
妻:でも、気持ちが楽になったのは本当。彼のことも「松本ハウス」というコンビのことも、よく知らなかったんです。テレビを見る時間もなく仕事をしていたので。
夫:打ち明けられたのは、年齢とともに仕事が減って、どうしたらいいのかという悩みだった。
妻:子供の頃からずっとお芝居をやっていて、とにかく焦っていたんですよね。
夫:たしか「子役のイメージを払拭できないのは、自分がその殻に閉じこもっているからでは」とアドバイスをした記憶がある。
妻:「まずやってみたら」と背中を押されました。サバイバルゲームのメンバーとして雑誌に出るのが決まっていたこともあり、心機一転、「あいり」という芸名にしたんです。