法政大が08年に新設したグローバル教養学部も注目されている。法政といえば法学部や文学部をまず想像する人も多いだろうが、それはかつてのイメージだ。

 00年代後半から、大半の授業を英語で実施する国際系学部が次々に誕生。なかでもグローバル教養学部は注目され、難易度が早稲田の国際教養学部に並ぶ。

 河合塾教育情報部の富沢弘和部長はこう分析する。

「グローバル教養学部は少人数教育を掲げ、開設当初は入学定員を50人に抑えた。少しずつ定員を増やして現在は100人ですが、めざす方向性が明確で、メッセージが高校生に伝わったのでしょう」

 関西では、関西大も少人数教育の外国語学部が、学内の入試難易度でトップだ。

 関西学院大の国際学部は、留学期間に応じて15万~60万円、成績優秀者に最高100万円の留学補助金を出す制度がある。留学は費用負担が大きいため、奨学金の充実が各大学のアピール材料となっている。

 他大との差別化がはっきりしている学部もある。明治大の国際日本学部は、語学教育のほかに「『クール・ジャパン』を科学する」とうたい、日本の漫画やアニメなどを学術的な観点から研究することをめざしている。

 国際系以外では青山学院大の教育人間科学部も定評がある。前出の富沢さんは言う。

「環境、国際、情報といった言葉や、カタカナを組み合わせた学部は、何を学べるかがわかりづらい。高校や塾の先生も、違いが把握しきれません。成功している学部は『どんな人材を育てたいか』のコンセプトがはっきりしている」

 教育内容以外では、キャンパス移転が人気につながることもある。立命館では16年に文学部の心理学域が独立。総合心理学部となって、京都市から大阪府茨木市にキャンパスを移した。15年度入試の志願者数は1584人だったが、17年度入試では3349人と増えている(3月3日現在)。

週刊朝日 2017年3月17日号より抜粋