「男子新体操部に所属していてバク転ができたこと。国語の先生に朗読を褒められるぐらい声が良かったこと。歌が好きで、授業の合間に歌って、周囲に煙たがられていたこと。その三つの特性を足したら、“歌って踊ってセリフが言える職業、つまり俳優をやればいいんだ!”と閃いて(笑)。大学に進学してから、安易な気持ちで演劇研究会に所属して、NACSのメンバーと出会うんです。もう20年以上が経ちますけど、ブレずに好きな芝居を続けられたことは、ラッキーだったとしか言いようがないですね」
対応力の高さと、甘え上手な面を武器に、比較的器用に世の中を渡ってきているように見えなくもないが、実は、かなりの頑固者らしい。
「親にもよく言われました。“人と比べて負けたくない”のではなく、“自分を曲げたくない”思いが、いつも心の中にありますね。俳優として譲れない点は、“いい作品に出たい”、それだけなんですけど……」
昨年40歳になった。今は「早く50代に!」と思っているそうだ。
「昔から“老け顔”と言われていたこともあって、30代は中途半端な感じがして嫌でした。ようやく顔と年齢が一致し始めて、40歳で男の渋さがにじみ出るかなと思ったら、まだ全然足りなかった(苦笑)」
※週刊朝日 2017年3月10日号