執行停止としていた大阪高検は、昨年春から高山受刑者の病状と診断記録の相違があるのではとの情報をキャッチ。昨年6月と10月、2度にわたり医科大病院に「執行関係事項照会書」を送付して病状を確認し、診断や記録から収監できると判断した。
「過去の診断記録を他の医師などに見てもらうと、おかしな点が判明し、虚偽記載の疑惑が浮上した。高山受刑者と吉川学長の不透明な関係や、高検への書類作成に病院幹部が関与していたこともわかってきた」(捜査関係者)
医科大病院側は吉川学長と高山受刑者の関係についてこう話す。
「会っていたが、病院の敷地内」
だが、先斗町の飲食店の関係者は、
「高山受刑者と吉川学長は一緒に来ていた」
と証言する。
医科大病院だけでなく吉川学長の自宅まで捜索される前代未聞の事件。だが、
「吉川学長は病院近くに“第二の事務所”を持っている。女性の専属秘書を自費で雇い、病院外の執筆や出張などを管理し、今回のグレーな交際もそこで把握しているはず。その事務所に捜索が入らず、病院内では不思議に思っている人も多い」(前出の医師)
収監前、高山受刑者は知人に、
「手術のお礼をしなければと思ったが、吉川学長は受け取らなかった。だから饅頭(まんじゅう)100個を2度くらい手土産で渡した」
などと語っていた。
「今回の収監と捜索は初歩だ」(捜査関係者)
公立医科大と暴力団組長が絡む汚職事件にまで発展しかねない異例の事態である。
※週刊朝日 2017年3月3日号

