昨年7月の都知事選では小池氏は千代田区内で1万4731票、自公などが推薦の増田寛也氏は8200票を得た。この8200票が自公の基礎票と見られ、前出の区議によれば、石川氏は1万票以上、与謝野氏が6千~8千票と差が縮まっているとみている。
キーマンはやはり自民党千代田総支部の支部長のドン内田氏だ。内田氏は結果次第では、夏の都議選に出馬せずに引退かと報じられたが、地元の声は違う。
「婿さんは千代田区議ですが、自民党内での人望もいま一つ。たとえ区長選で負けても、ドンは体力が続く限り、ぎりぎりまでやるのではないでしょうか」(別の区議)
一方で、しのぎを削る2人の争いで漁夫の利を得るとみられるのは、無所属で新人の会社員五十嵐朝青(あさお)氏(41)。
ある区議によれば、「自民党の争いにうんざりしている区民の中には、石川さんにも与謝野さんにも票を入れたくないし、白紙や棄権も嫌だから、朝青龍に入れると言う人たちもけっこういる」という。
「朝青龍」とは五十嵐氏の名前をもじってのこと。弟は茨城県つくば市の市長だ。直撃するとこう答えた。
「(他候補は)自民党内で内輪もめをやっています。千代田区の会社でコーチングの仕事をする私だから、人のポテンシャルを引き出したり、目標達成を一緒にできます」
※週刊朝日 2017年2月10日号