週刊朝日2月3日号 表紙の柴咲コウさん
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 大河ドラマ「おんな城主 直虎」で主演を務める柴咲コウさん。大役だが、「プレッシャーはない。すごく気持ちよく仕事している」という。ドラマはもちろん、私生活や仕事観についても語ってくれた。「いざっ!」

──大河ドラマの主役を演じることが決まったときの気持ちは?

 大きなチャンスをいただけたと思いました。国民的なドラマなので、祖父母や田舎の親戚にも見てもらえます。自分が持つすべての引き出しを使って、直虎を表現したいです。

──井伊家の礎を築いた直虎について、これまでほとんど知られていませんでした。女性でありながら男性の名前で家督を継いだ直虎の生き方を、どのように捉えていますか?

 私もこのお話をいただいて初めて、直虎という人物を知りました。現代よりも「男であること」「女であること」の区別がしっかりしていた時代に、誰かの伴侶になるわけでもなく、跡継ぎを産むわけでもなく、まったく違う方法で家を守った。すごい人だと思います。守るべきものの大きさなんて関係ない。そこにあるのは損得勘定ではなく、純粋な思いです。今は思いだけで生きていくことが難しい時代だから、いっそう直虎の生き方に魅かれます。

──もしも柴咲さんが城主になったら?

 城主には向かないと思います。お金の計算をはじめ、さまざまな事柄を取り仕切らなくてはなりませんから。私は情にほだされてしまう部分があるので、サポート役ぐらいがいいですね。

──最近では、「直虎は男だった」という説が話題になりました。

 それについては全く気にしていません。「一人の女性の生きざまを描く」というオファーに応えていくだけです。私はいわゆる“大河らしさ”についてきちんと理解しているわけではありませんが、大河ドラマの新たな一面を見せてくれる予感を感じています。

──歌うようにお経を読んだり、滝に打たれたり、畑を耕したりと、お姫様役ならやらないだろうシーンにも挑戦されています。

 普通の撮影では衣装を汚さないように気をつけなくてはいけないので、どんどん汚せるのは楽しかったですね。滝行はちょっとやみつきになったかもしれません。早朝の撮影で寒かったのですが、いざ滝に打たれると般若心経を一心に唱えることに集中できて、「これが修行というものか」と思いました。プライベートでも行きたいです。

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