見事、リオ五輪出場を果たし話題となった猫ひろし。出場後は、様々な変化が表れたという。
* * *
僕にとって初めてのオリンピック出場はまさに“事件”でした。芸人になってオリンピックに出るとは思っていなかったけど、実際に出場してわかったのは「オリンピックは見るものでなくて出るものだ」ということでした。ゴール時に言えば流行語大賞になったかもしれませんね(笑)。
でも140人中139位。ブービーでゴールして放送が終わっていたから、それはかなわぬ夢でした。翌日ワイドショーとかではありがたいことに僕のゴールシーンが流れていました。ゴール後に会場の客席から10分間くらいカンボジアコールで盛り上がったところも映してくれました。ホントいうと100位以内を目指していましたが、雨が降って靴が滑って足にマメができて……。
リオからまっすぐカンボジアに帰って、いつも一緒に練習している選手のところに行きました。そうしたらゴールシーンを皆見ていて、「ありがとう」って言われたんです。よく行くカンボジアのサウナがあるんですが、いつもはそっけない従業員が、「見たよ、走ってたねー、がんばったねー」と言って、ペットボトルの水をくれました。それがすごくうれしかったんです。
日本に戻ってからも変化がありました。仕事も増えたし、これまでは遠くから、あ、猫、猫、とクスクス笑われてばかりだったけど、「感動しました」「尊敬してます」なんて言われて。2カ月ほどでその魔法は解けましたが(笑)。