「9月末には自民党税制調査会の『インナー』(非公式の幹部会合)のメンバーに選ばれました。会合のメンバーは野田毅最高顧問など、派閥の領袖(りょうしゅう)クラスばかり。安倍さんは甘利さんをそこに押し込み、情報を官邸に上げさせているんです。首相の夕食会にも堂々と参加し、地位はかなり回復しています」(自民党関係者)

 甘利氏といえば、TPP交渉だが、トランプ次期米大統領にちゃぶ台返しされ、これまでの苦労は水の泡。だが、「現在の担当相は石原(伸晃)さんなので痛くもかゆくもない様子」(同前)という。

 12月に発表された最もカネを集めた国会議員ランキングで2位(15年の総収入は1億9180万円)に入った甘利氏だが、カネ集めには理由があるようだ。

「旧山崎派(現石原派)の重鎮だった甘利さんの最大のライバルは伸晃さん。石原派を乗っ取ろうと大臣規範に抵触する派手なパーティーでカネを集めた成果でしょう(笑)。TPPがコケてパッとしない石原さんを尻目に復権を狙っています」(自民党議員)

 予算規模が国家レベルの東京都政が投げ出されたのが6月。政治資金の公私混同疑惑で辞職に追い込まれた舛添要一氏は、公用車で通ったとされる神奈川県湯河原町の別荘を、疑惑への「けじめ」として「第三者に売却する」と宣言していた。

 はたして売却されたのか。登記簿を取り寄せると、所有者は「舛添政治経済研究所」のまま。では、“第三者の目”で調査し、「違法ではない」が「不適切」とされた宿泊費6件と飲食費14件は解決されたのか。都庁や総務省の担当者に問い合わせたが、

「政治団体の話なので把握していない。舛添前知事にお聞きするしかないかと」
お金の流れは収支報告書でしかわからず、返金したと公開する義務はない」

 世田谷区の舛添氏の事務所を訪ねたが、玄関にかつて貼られていたにこやかなポスターはない。電話で問い合わせた。

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