小池都知事 (c)朝日新聞社
小池都知事 (c)朝日新聞社
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 秋の臨時国会の存在感がなくなるほどに連日、メディアを席巻する「小池劇場」。だが、その裏では小池百合子知事の首に鈴をつけようと、自民党による“裏工作”が着々と進行していた。豊洲市場、五輪施設、広尾病院……混迷を深める劇場の行きつく先は──。

 小池知事が二階俊博自民党幹事長、下村博文自民党都連会長の要請に応じて10月6日、京王プラザホテルで会談した数時間後──。

 安倍晋三首相は衆院東京10区補選(23日投開票)に自民党候補として出馬する若狭勝氏の応援スピーチを録画。16日には安倍首相と小池知事がそろって街頭演説を行う予定だ。

 都知事選で小池氏を応援した区議7人に都連が離党勧告を出すなど両者の間には火種が燻(くすぶ)っていたはずだが、氷解しつつある。

 会談後、小池氏は報道陣に笑顔でこう語った。

「選対本部長にはなりませんが、党本部と連携し、しっかり束ねて勝利に導いていきたいと思っています」

 二階氏も珍しく冗舌にこう語った。

「協力し合うというのは、都議会においても道端においてもどこでもですよ。円満に事を進め、次の一歩へ踏み出していかなきゃ」

 都連所属の国会議員がこう解説する。

「自民党は若狭氏を党を挙げて応援しますよ。選挙に勝てば区議らの処分もうやむやになるのではないか」

 知事選中は「ブラックボックス」に斬り込むと、都議会自民党との対決姿勢を勇ましくアピールしていた小池氏。だが、4日、5日の本会議では“ガチンコ対決”は勃発せず、「都政のドン」こと内田茂都議も沈黙。頬杖をついて体を深く傾け、居眠りしているようにも見えた。

 都議からは豊洲市場や五輪施設についての質問が相次いだものの、小池知事は「検討チームで早急に検討を進め、早期に判断したい」などと都政改革本部に設置したPT(プロジェクトチーム)に言及することが多く、具体的な結論は先送り。こうした展開に業を煮やしたのか傍聴席から「利権ファーストなの? 都民ファーストなの? しっかりしなさい!」と野次が飛ぶと、小池氏が数秒間、憮然とした表情で傍聴席をにらみつける場面もあった。

 共産党の清水ひで子都議は、小池氏への満足度は6割程度として、こう語る。

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