無駄づかいをやめてお金をためるには、何から手をつけるべきか。家計診断や講演などで活躍するファイナンシャルプランナー(FP)や経済ジャーナリストに、実践的な対策を聞いた。
経済ジャーナリストの酒井富士子氏は「預金金利が低い今だからこそ、金融機関選びで差がつく」と話す。
メガバンクの1年物定期預金の金利は6月23日現在で、0.01%。100万円を1年間預けても、利子はたったの100円(税引き前)にしかならない。
これに対し、ネット専業銀行や地銀のインターネット専用支店は、相対的に高い金利の預金商品を提供するところもある。
例えば、大阪シティ信用金庫夢ふくらむ支店の「プラス金利つき定期預金『夢プレミアム』」は、6月23日現在で1年物定期預金の金利が年0.375%(税引き前)。低水準のなかでの比較になるが、メガバンクの37.5倍となる計算だ。
金融機関で金利差があるため、酒井氏は「生活口座と貯蓄専用口座とを使い分けることも必要。例えば、児童手当は貯蓄専用口座に振り込んでもらってためる」と話す。
預金を時間外に引き出したり、他行ATMで引き出したりすると、1回分の手数料で1年間の利息が吹き飛びかねない。手数料のかからない時間帯に引き出すなどATMの使い方にも注意を払いたい。
貯蓄していても、親の介護などをきっかけに使い果たすケースがある。親の介護費用は親のお金でまかなってもらうことが鉄則だと、酒井氏は強調する。
「遠くに住む親が倒れ、介護離職する人もいます。ですが、収入が途絶えると、将来、自分が路頭に迷うことにもなりかねません」
親の健康状態に不安を感じ始めたら、介護保険制度や親が住む地域の介護施設などについて調べるとよい。離職せずに済む手立てをあらかじめ考えておくと、いざという時に慌てずにすむ。
「老後の生活を考えたら、貯蓄を確保しながら住宅ローンを返すことが非常に重要。ところが、残債額もローン金利も返済期間も、把握できていない人がいる」
こう話すのは、FPでオフィスカノン代表の馬養(まがい)雅子氏。企業の社員向けライフプランセミナーの講師を数多く務め、働き盛りの家計に向き合ってきた。
馬養氏は、住宅ローンを借り換え、返済額を減らすことをアドバイスする。