19日にJR有楽町駅前で市民連合と野党4党が行った街頭演説会。参加者のプラカードが会場を埋め尽くした (c)朝日新聞社
19日にJR有楽町駅前で市民連合と野党4党が行った街頭演説会。参加者のプラカードが会場を埋め尽くした (c)朝日新聞社
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 参院選公示が迫った6月19日。JR有楽町駅(東京都千代田区)前を、数百人の群衆が埋め尽くした。

 中心にいたのは、スーツ姿の政治家だけではない。「みんなのための政治を、いま。」などと書かれたプラカードを掲げた市民たちが、野党党首らを取り囲むように並んでいた。

「市民が主役の選挙」。見るものにそんな印象を与えた異色の街頭演説会は、SEALDs(シールズ)などの団体でつくる「市民連合」と野党4党が合同で行ったものだ。

 司会はSEALDs中心メンバーの奥田愛基氏(23)。共産党の志位和夫委員長、民進党の岡田克也代表らの演説に続いてSEALDsメンバーも登壇し、

「今回の選挙のテーマは、市民でこの選挙に勝つってことです。つまり、僕たちでこの選挙に参加していくってことです」(飲食店勤務・山本雅昭氏)

 などと熱弁した。演説の合間に歌で投票を呼びかけ、最後はラップ調のコールで、「選挙に行こうよ!」と声を合わせる。昨夏のデモを再現したような“SEALDs流”のイベントだった。

 昨年5月に安保法制に反対する大学生らで結成され、国会前デモを社会現象に発展させたSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)。参院選を最後に解散すると宣言した彼らが今、「最後の戦い」に臨んでいる。

 SEALDsといえばデモの印象が強い。だが昨秋の安保法の成立後は水面下の活動にシフトしていた。中心メンバーの諏訪原健氏(23)が語る。

「昨年5月ごろは法案への注目度も低く、まずは国会前デモなどで法案の問題点を世の中に可視化して伝え、ムーブメントにしていくことを目指しました。安保法成立後は、フェーズ(局面)が変わり、一度“もぐる”時期と考えた。選挙で戦う大前提のスタートラインをつくるために野党共闘をどう実現するか。他の団体と一緒に『市民連合』を結成し、政党関係者などいろいろな人と話をした。32の1人区すべてで野党統一候補が立ったことは大きな成果だと思います」

 野党共闘を実現させた現在は第3局面。「市民が参加する選挙」のモデルを示すことに力を入れる。冒頭の有楽町での街頭演説会は、そうした活動の一環だ。

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