野党統一候補の擁立で、無風の参院選ではなくなったものの、やはり“安倍自民の1強”が続いている。角谷氏は、
「参院選の前哨戦と言われた衆院北海道5区の補欠選挙で、野党統一候補が勝利していたら、政局も後半国会の空気も変わっていたはずだ」
と、指摘してこう続ける。
「野党が勝利していたら、参院選での野党共闘がさらに促されたし、強固なものになっていたはず。“負けたけど接戦”という結果に満足し、参院選に臨んでいては、野党のダラダラ感は相変わらず。危機感を持つことが必要なのではないか」(角谷氏)
安倍首相は1日の会見で、
「参院選の最大の争点は、まさにアベノミクスを力強く前に進めていくのか、あるいは後戻りするのかを決める選挙」
と争点について語ったが、参院選の先には首相宿願の“憲法改正”が見え隠れしている。
伊勢志摩サミットやオバマ米大統領の広島訪問後、安倍政権の支持率は上昇傾向を示したが、いつまでたっても道半ばのアベノミクスや強気の政権運営に、安倍疲れや違和感を覚える人も少なくない。「信を問う」と安倍首相が打ち上げた“新しい判断”が、有権者にも突きつけられている。
※週刊朝日 2016年6月17日号より抜粋