園:「朝まで生テレビ!」とか、輝いていたもんね。

――園はかねて自分の実家を「『犬神家の一族』みたいな家」と評していた。カメラはそんな園の実家にも入っていく。

大:驚きました。蔵書もすごいし、完全なインテリ家庭ですよ。子温、は本名だし、妹さんは路果さん。お父さまはキリスト教徒だったんですか?

園;いや、まったく関係ない。親父は地元の大学の英語の教授でした。厳しいを通り越して異常でしたね。赤いTシャツ着ているだけで「だらしない! 服は白か紺!」とか管理されて。僕は17歳で「このままだと家族や田舎の重力に押しつぶされる!」という一心で東京に飛び出した。父が亡くなってずいぶん経ちますが、関係は変わらなかったですね。「自転車吐息」(90年)は見てくれたけど、「自殺サークル」(02年)あたりから「けしからん!」と。

大:血だらけですからね。

園:僕が割と派手な服を着たがるのは反動だと思う。

大:僕は逆ですね。親父が派手な服を着ていたからなるべく地味でいたい、と。

園:そこは全然違うね。

大:将来の夢を「普通の人」とか書いている時期もありましたよ。

週刊朝日  2016年5月20日号より抜粋