手堅い就職につながる資格が取れると人気のメディカル系学部。なかでも熱い視線が集まるのが、看護系学部だ。過去25年間で大学数、定員ともに激増した。人気の秘密はどこにあるのか。週刊朝日MOOK「看護師になる2016」から人気のポイントを紹介する。
看護系の学部・学科では新設ラッシュが続く。昨年は15大学、今年も6大学が新設。過去を振り返ると、1991年度には看護系の学部・学科を設置する大学はわずか11大学、定員は558人だった。それが現在は246大学、定員は38倍超の2万1394人となっている。
以前は、看護学というと、専門学校や短大で学ぶ学生がほとんどだったが、なぜ、4年制大学の学部・学科が増えたのだろうか。
まずは制度的な背景が挙げられる。92年に、高齢化による看護師不足を受けて、「看護師等の人材確保の促進に関する法律」ができ、文部省(当時)も「看護系大学の整備充実を一層推進していく必要がある」との指針を発表した。
さらに、高学歴看護師のニーズの高まりがある。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんは説明する。
「医師、看護師、薬剤師、検査技師らがチームを組んで医療にあたる『チーム医療』では、患者に密接に関わる看護師が果たす役割は大きくなります」
それぞれの持ち場で役割を果たす従来型の医療からチーム医療へ変化したことで、看護師に求められる医療知識や技術、判断力などが、より高度になってきているのだという。さらに上さんは、「高学歴看護師が増えると患者の死亡率が下がる」というデータを挙げる。