イスラエル 1987 Vol.2
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2年越しのイスラエル・ライヴとリヴァーサイド本について
Israel 1987 Vol.2 (Cool Jazz)

 今回ご紹介する1987年6月5日のイスラエル・ライヴは、すでに登場している『イスラエル1987』の続編。コンサートの後半に演奏された8曲が収録されている。ちなみに『イスラエル1987』を当コーナーで取り上げたのは、なんと2008年11月17日。時間の経つのは早いですね。

 というわけで「詳細はそちらをご覧ください」といって逃げてもいいのですが、どうも別ソースのような気がするのです。つまり音が良くなっているような感じ。とはいえこのイスラエル・ライヴ、そもそも良好な音質ゆえに明らかな差というものはないのですが、あるいはリマスター技術が向上したということでしょうか。

 メンバーも曲目も、さらには演奏内容に関しても説明は不要かもしれません。そこで以下は、読者のみなさんへの新刊のご紹介(宣伝?)とさせていただきます。というか先日来、このコーナーでは、通常のマイルス盤の紹介以外に個人的なあれやこれやを書くようにしているのですが、おもしろいでしょうか。ぼく自身はブログもツイッターもしないで、ただ平々凡々とした毎日を送っているだけ、よって新刊について書くことくらいしかないのですが、ともあれしばしお付き合いください。

 今回ご紹介するのは、『リヴァーサイド・ジャズの名盤50』(双葉社)という文庫です。これまではブルーノートを専門的に攻め、このたび、ようやくリヴァーサイドについて書く機会を得ることができました。

 リヴァーサイド、好きだったんですよ。詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、とくに活字人間には、リヴァーサイドというレーベルは、たまらない魅力をそなえていると思います。ただし「いわゆる名盤ガイド」では面白くもなんともないので、オリン・キープニュース(プロデューサー)の思考、リヴァーサイドの社史、その間のジャズの流れが理解できるような観点から選びました。しかも1アーティスト1枚という制約をもうけました。

 さらに今回は、文庫とはいえ凝りに凝りました。ジャケットや写真等のヴィジュアルはすべてオールカラーです。加えて、2ページの見開き単位で、カラー、モノクロ、カラー、モノクロと、交互に構成されています。これ、どうやって印刷・製本したのでしょうか。

 リヴァーサイドとマイルスは基本的には無関係ですが、キャノンボール・アダレイが『ポートレイト・オブ・キャノンボール』を吹き込むときは御大マイルスが《ナルディス》の楽譜をもってスタジオに姿をみせ、そのためにブルー・ミッチェル(トランペット)がビビッて満足に演奏できなかったなど、マイルス関係の逸話も盛り込みました。一般発売は6月8日前後です。

【収録曲一覧】
1 Movie Star
2 Splatch
3 Time After Time
4 Full Nelson
5 Don`t Stop Me Now
6 Carnival Time
7 Tomaas
8 Burn
(1 cd)

Miles Davis (tp, key) Kenny Garrett (as, fl) Robert Irving (synth) Adam Holzman (synth) Foley (lead-b) Darryl Jones (elb) Ricky Wellman (ds) Mino Cinelu (per)

1987/6/5 (Israel)

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