国連WFP日本大使としてアフリカなどの現地視察にも力を入れているモデルの知花(ちばな)くららさんが、「朝日歌壇」の選者でもある永田和宏先生に自由な歌を詠む方法について聞いた。
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知花:今月はオノマトペについて教えてください。オノマトペって、わかっているようで理解しきれてなくって。「ぴいぴい」「ガシャーン」などの擬音の総称ってことですか?
永田:そうですね、オノマトペはフランス語で、擬音語、擬声語、擬態語などと訳します。「ぴいぴい」は一般的に鳥の声ですね。オノマトペとはちょっと違う、こう聞こえるという「聞きなし」も面白い。ホトトギスは「特許許可局」、サンコウチョウは「月日星ホイホイホイ」と鳴く、と言いますね。
知花:へ~、面白い。慣用的に、よく聞くオノマトペは使わないほうが良いなどコツはありますか。
永田:う~ん、それはそうとも言えないんだな。たとえば「死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる」という斎藤茂吉の有名な歌がありますが、「しんしんと」自体はありふれている。
知花:「しんしんと雪が降る」「しんしんと夜が更ける」などですね。
永田:そう。だけど、茂吉は今にも亡くなろうとしているお母さんの横で添い寝をしていて、夜はしんしんと更けて、いつもはうるさい蛙の声も遥か天から響くようにしんしんと聞こえてくる……。言葉で伝える以上に深みが出るとか、重層的で複雑なイメージになれば成功すると思うな。
知花:難しいし、深いですね。蛙なら「ゲロゲロ」しか浮かばないかも……。