「管理者や若手社員、人事担当者が、シニア社員に対して、『気を使わないといけない』『フォローのために仕事量が増える』などと、マイナスのイメージを持っていることのほうが多いので、職場内でもうまくまわらないのです」
また、活躍できていないシニアには、過去にとらわれて、不愉快な感情で働いているといった共通点もある。一つ目は、収入減と、年下上司の下で自尊心が傷つき働く意欲を失うケース。二つ目は、面倒くさがって、新しい技術や仕事のやり方を覚えない。三つ目は、裁量権がないのにもかかわらず、過去の栄光にとらわれて強引に物事を進めてしまうケース。
「シニア社員が人生を仕上げる意識で組織をサポートする存在になると、その企業は強くなります。周囲も本人も尊重し合い、“ちょっとした態度の工夫”をすれば、強い組織になりますよ」(藤岡さん)
◇定年後職場で「愛される先輩」になるための10カ条
[1]年下上司からの頼まれごとは嫌な顔をしないでやる
[2]職場内で年下上司には「さん」と呼び敬語で接する
[3]自分が先に名刺を出さないようにする
[4]物事を決めるときには自分ひとりで判断しない
[5]困っているスタッフがいたら積極的にカバー
[6]体験談や自慢話はしない
[7]わからないことは素直に教えてもらう
[8]与えられる仕事はより好みしないで引き受ける
[9]まわりのスタッフに指図しない
[10]「聴く力」を持つ
※週刊朝日 2016年3月25日号より抜粋

