「現役の受験者は医学部86人、東大60人。東大現役の文系の合格者も4人から15人と増えました」(谷口哲生副校長)
今年は公立の躍進も目立った。トップは日比谷(東京)で12人増の49人。2000年以前に1人にまで落ち込んだが、名門校復活の印象は強い。
「生徒が知的好奇心を増して、自主的に学んでいることが実績につながっているのだと思います」(進路指導部主任の臼田浩一教諭)
このほかにも、栄東(埼玉)が18人増の27人、豊島岡女子学園(東京)が10人増の40人と健闘した。
入試の難易度について、前出の石原さんは「文系数学が易しく、理系数学もやや易化した」とみる。推薦入試の影響はどうか。
「地方での説明会を初めて実施し、東大に目を向けさせる効果があった。今後、地方からの合格者が増える可能性はあります」(石原さん)
東大は合格発表があった10日、2018年入試から、医学部医学科に進学する理科III類の試験に、面接を導入すると発表した。
1999年から2007年まで実施した面接を復活させる背景には、最難関という理由だけで受験して、あとで医学に向かないことに気がつく学生がいること、臨床で必要なコミュニケーション能力も受験時に見極める必要があるためという。
東大は積極的に入試改革に取り組んでいる。受験生は今後も注意が必要だ。
一方、京大の志願者は8321人で合格者は2888人。京大合格者数は、昨年は60人で4位だった洛南(京都)が68人でトップ。2位は昨年同様、東大寺学園(奈良)で64人。3位は北野(大阪)だった。
※週刊朝日 2016年3月25日号