安倍政権を揺さぶる事態が進行中だ。幼い子どもを持つママたちの政権への怒りが噴出しているのだ。
ことの発端は、保育園の入所選考に落ちた母親が「保育園落ちた日本死ね!!!」と題して2月15日に匿名で投稿したブログ。
同じ境遇のママたちが共感し、国会でも取り上げられた。2月29日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が「匿名である以上、本当であるかどうかを確かめようがない」と切り捨てると、瞬く間に炎上。与党議員から「誰が(ブログを)書いたんだよ」「(質問者は)ちゃんと(書いた)本人を出せ」とヤジが飛んだことも、火に油を注いだ。
3月5日には、「♯保育園落ちたの私だ」と書かれたプラカードを手にした母親たちが国会前に集まる抗議集会へと発展する。
怒りは内閣支持率を直撃したのか、毎日新聞が3月5、6日に実施した世論調査では、女性の内閣支持率は前回の48%から11ポイントマイナスの37%に急落。不支持率は8ポイント上昇。
ブログには、「会社やめなくちゃならねーだろ。ふざけんな日本」などと、保育園に入れず、職場復帰できない現状への怒りがぶちまけられている。安倍政権の掲げる「1億総活躍社会」のスローガンにも触れ、「どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか」と嘆いた。ツイッターでは「#保育園落ちたの私だ」というハッシュタグ(検索ワード)が生まれ、同様の投稿が相次いでいる。
こうした流れについて、保育問題を追うメディアコンサルタントの境治さんは、「ツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が大きな役割を果たし、世の中の空気を変えたアラブの春にも似た動き」と分析する。