オムライス、パン、お重弁当。思わずぱくりと食べたくなるが、実は樹脂粘土や造形パテなどでできたニセモノ。さらに、指でつまめる小ささだから驚きだ。
制作したのは、田中智さん。食べ物から日用品まで、身近なものを何でも小さく変えてしまう“魔法の手”を持つ。
精巧なミニチュアを作るポイントは、入念な下準備だとか。「現物や写真を見るだけでなく、制作工程や素材も調べ、徹底的に研究します」(田中さん)
例えば、野菜スープのにんじんを作るなら、包丁の入り方、煮崩れ方、火を入れたときの変色の仕方まで調べて再現する。細部のこだわりは、肉眼では確認できないほど微細。
※週刊朝日 2016年3月18日号