オリエンタルランドが運営する東京ディズニーランド (c)朝日新聞社
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 1、2月が低調に終わった株式市場。年度末にかけて、日経平均株価がジリジリと上がってきたが、再び株主優待が注目されている。

 野村インベスター・リレーションズの「株主優待実施状況レポート」によれば、今年1月末時点で株主優待実施銘柄数は過去最多の1289銘柄。全上場銘柄の32.9%に達している。消費者向けにモノやサービスを提供する上場企業以外に、企業向けサービスを展開する事業者も積極的に株主優待に取り組み始めたことで過去最多を記録したと考えられる。

「近年、増えているのがQUOカードの株主優待。これならば業種を問わず、どんな企業でも取り入れられる。発送コストが安いうえに、換金しやすいため企業と個人投資家双方に人気の優待といえるでしょう」(SBI証券投資調査部シニアアナリストの藤本誠之氏)

 なかでも優待狙いの投資家の間で“鉄板銘柄”となっているのがコロワイド。

「500株以上の保有株主には同社が展開する飲食店などで利用できるポイントが2万円分ももらえるので、投資金額に対して優待内容が充実しています。それが好評を博して、今や同社の個人投資家の比率は78.6%と非常に高くなっている。こうした個人投資家比率の高い銘柄は総じて値崩れしにくく、底堅い点も魅力です」(カブドットコム証券投資アナリストの藤井明代氏)

 同様に、グループのチェーン店で利用可能なポイントプログラムを株主優待として用意している銘柄にはアトムがあり、こちらは優待込みの実質利回りが6%超。こうした“金券系優待”の人気は根強い。資産2億円超えの個人投資家・JACK氏も次のように話す。

「優待狙いの投資家の間で知られているのは3月権利確定銘柄だとヤマダ電機。5万円ほどで買えて、3千円の割引券がもらえるので実質利回りは5%以上。丸井グループなど百貨店もだいたい10%割引で買い物ができる優待カードを発行してもらえるので人気です」

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