
「大学を受験するときには、幼稚園の先生になりたいという志望が決まっていました。大学の就職実績を調べて、『ここに入れば先生になれる』という確信を持てたので入学を決めました」
聖徳大(千葉県松戸市)児童学部の幼稚園教員養成コースで学ぶ4年生、山下絢子さん(22)は、大学選びをこう振り返る。
聖徳大は1990年に開設された女子大。付属の幼稚園、小、中、高校のほか、短期大学部や専門学校などをもつ。大学は心理・福祉、文、人間栄養など6学部があるが、学生の半数以上が児童学部に所属。多くが主に保育士や幼稚園教諭を目指している。
保育士、幼稚園教諭の最新の就職者数で、聖徳大はともに全国1位の実績を誇る。大学のホームページでは「保育士採用数10年連続全国1位」「教育系就職率100%」と謳っており、就職実績には定評がある。
「私は公立の幼稚園を志望していて試験に小論文があったのですが、希望者向けの対策講座に参加して、添削指導を受けました。ピアノ伴奏などの実技試験の前には、夏休み期間中にもかかわらず先生が一対一で教えてくれました」
大学のサポートもあり、山下さんは都内の幼稚園への就職が決まった。今春、長年の夢だった幼稚園教諭への一歩を踏み出す。
景気が厳しくなるにつれ、卒業後に確実に就職できるか、資格が取れるかといった指標が、大学選びの有力なものさしになり始めた。リクルート進学総研が昨年、現役高校生1039人を対象に実施した調査によると、「進学先では資格を取りたい」と答えた高校生が、全体の79%。2007年からの8年間でみると、9ポイント近くも増えている。同総研の小林浩所長はこう分析する。