「落ちない」をキーワードにした、人気の場所は多い。宮城県石巻市の釣石神社は、境内にある「“落ちない”巨石」で近隣に広く知られる。また、高知市内の「ゴトゴト石」は、押せばゴトゴトと音がするほど揺れるのに、「落ちそうで落ちない」ことから、いつしか受験のパワースポットに。図にはないが、「弁慶のはさみ石」(新潟県佐渡市)も、今にも落ちそうな大きな岩が、これまた落ちない。

 とにかく“落ちないパワー”を強力に感じさせるのが、「航空神社」(東京都港区)だ。新橋にある航空会館の屋上に建立されている。元々は航空関係の功労者や殉職者を祭ったものだが、受験生にも年々人気が上昇中という。

「近年は受験シーズンになると、お守りも月100体ほど頒布している」(神社を管理する日本航空協会)とのこと。羽田空港の第1旅客ターミナルにも分祀されているので、在京大学の受験などで東京へのフライトがある受験生は、立ち寄ってみてはどうだろう。

 さて、陸路はどうか。実は調べてみると、鉄道関係で縁起のいいスポットも数多い。名前が験担ぎになると話題の駅は結構ある。

 徳島県吉野川市には、JR徳島線の「学(がく)駅」。かつて、各地から人々が学問を修めに来た寺がこの地にあったことから、「学」の地名がつけられたのが由来という。

「学駅」の入場券を買うと、切符に「入」と「学」の字が縦に並び、「入学」に。代々近隣の受験生の間でお守り代わりにされてきた。JR四国では、この“風習”に注目し、毎年「合格祈願きっぷ」という受験グッズを販売している。中身は、「学駅」の入場券5枚とお守り袋だ。なぜ5枚入りかというと、「5入学(ごにゅうがく)」となることから。JR四国の主要駅での販売のほか、同社の通販サイト「夢四国」(http://www.yumeshikoku.com/)でも購入できる。

 このほかにも、南海電鉄の「学文路(かうろ)駅」、紀州鉄道の「学門駅」や松浦鉄道の「大学駅」など、合格をイメージさせる駅名は結構ある。

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