青学と東洋、駒大が“3強”と言われる今季の大学駅伝。お正月の箱根駅伝を楽しむため、まず押さえておきたいデータがある。
12月10日、箱根の出場予定選手が発表された。記録を見ると、学生長距離ランナーのエース級の目安、1万メートル28分台の選手が青学には11人もいる。箱根路を走るのは各校10人。他校ならエースになれる選手が控えに回るほど選手層が厚い。
誰もが本番でベストな走りを披露できるとは限らないが、その意味で、今度の箱根のキーマンは神野大地選手(4年)。15年1月の青学初優勝の立役者となった“3代目 山の神”だ。
プロ・ランニングコーチの金哲彦氏も含め、「彼が5区で15年並みに走ったら青学の優勝。走れなかったら他校が優勝する可能性も」と予想する声が多い。
テレビ視聴率30%前後という数字が示すように箱根駅伝への注目度は高い。最近の高校生ランナーは、どこに行けば箱根を走ることができるか、と考える。一方で大学側は、箱根での活躍は受験者数増につながるので、有望選手を奪い合う。
「それで戦力がバラけ、どの大学も好選手を全区間に配することはなかなかできません。結果として最近の箱根は往路中心のレースになり、復路での逆転が少ない。5区にすごい選手がいる大学は無理をしなくていいので心理的に有利で、他校への牽制(けんせい)になる。これが“山の神”がたたえられる理由です」(ベテラン記者)