前出の清谷氏はやはり手薄な原発警備を心配する。
「日本政府はこれまで、原発のテロ対策というのは見て見ぬふりをしてきた。本気で守るなら、24時間態勢で原発1基当たり、約100人の専門部隊の常駐が必要。ヘリや自動小銃、レーダーなどの設備も必要になり、膨大なコストがかかる。そんなコストを払ってまで原発を維持することが果たしてお得なのか」
軍事アナリストで、静岡県立大学特任教授の小川和久氏もこう警鐘を鳴らす。
「日本の原発の警備はまだ十分ではないと思いますが、ISの行動範囲に近いという点では、フランスの原発が狙われる可能性が高い。パリのテロは明日は日本で起こるかもしれないのです」
国内で原発が再稼働する中、原発事故の緊張感を再び思い返そう。
※週刊朝日 2015年12月4日号