真田家14代当主の真田幸俊(ゆきとし)さんは、戦国武将・真田幸村の生涯を描いたNHK大河ドラマ「真田丸」を次回行われる武者行列の参考にしたいという。
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松代藩真田十万石まつりの武者行列に今年は親子で参加させていただいた。
練り歩きの途中で折り返しがあり、長男の輿とすれ違った。多くの見学者に囲まれ、緊張している様子であったが、手を振りながら観客の声援にこたえていた。
長男の様子を見ていると、お祭りに参加するようになった初めのころを思い出した。よく勘違いされるが、私は元々乗馬の経験も、ましてや鎧兜を着た経験もなかった。行列に参加する馬は調教されており、また馬の引き手がいるので未経験者でも全く問題ない。ただし殿様役としてはいくつか注意しなければいけないことがある。
最初のころは殿様の立ち振る舞いも全くわからなかった。背筋が曲がっていると、特に目立つと、周りから指摘していただいて気が付いた。それ以来、馬上では見栄えが良いように背筋を伸ばすとともに、中腰にするようになった。
この態勢のまま3時間は、鎧兜の重さもあって、それなりに重労働である。
本物の鎧兜は鉄製で重さも20キロ程度になるそうである。一昔前までお祭りで着用していた鎧兜は時代劇の撮影用で、最初は10キロ程度あった。今は地元で専用の鎧兜を製作していただき、さらに進化して軽くなっているのでだいぶ楽になった。もう一つ注意しなければいけないことは、水分を取らないことである。