今週は新着音源の代わりに記念切手と映画の最新情報
Miles Davis Forever Stamps (U.S. Postal Service)
今週は珍しいことに新着音源がなく、その代わりといってはなんですが、マイルス者なら聞き逃せない、見逃せない最新情報をお伝えしたいと思います(たまにはこういう趣向もいいかもしれませんねって自分で言うな!)。
6月、アメリカで遂にマイルス・デイヴィス切手が発行されます。アメリカに知り合い、友人がいらっしゃる方は、いまから「頼むコール」をしておいたほうがいいかもしれません。なにしろビッチェズ・ブリュー・ビールのときも「日本で買えるだろう」と安心していたらこれがとんでもない話で、日本国内にはまったく出回らなかった。今回は切手ですから、日本のその手のショップでも販売されるとは思いますが、念には念を入れておきたいものです。
この切手は通称「フォーエヴァー・スタンプ」と呼ばれているシリーズで、今回発行される切手は、マイルスとエディット・ピアフという超豪華な顔合わせ。アメリカとフランスの郵政省が協力して、それぞれの国が誇るスーパースターを選出した結果が、この2人というわけです。それにしても不思議ですね。ふつうの感覚だったら、エルヴィス・プレスリーかフランク・シナトラでしょう。しかも相手はエディット・ピアフです。そこにマイルスをもってきたところが、エラいといいましょうか、ナニ考えてるんだといいましょうか。ともあれこうして我らがマイルスがアメリカを代表する顔に選ばれたのですから、大いに喜びましょう。図柄は、例の『ジャック・ジョンソン』の再発ジャケットに使われた有名な写真ですね。まあ、これがマイルスのイメージということなのでしょう。
一方、ドン・チードルが権利を買い取ったといわれていた映画化権ですが、どうやら2本つくられるようです。1本は、かなり前に新着洋書コーナーでご紹介した、息子グレゴリーが書いた内幕的回想録、あれが下敷きになるようです。ということは、あまり期待できないかもしれません。もう1本の内容に関しては詳細不明ですが、ドン・チードルということから考えて、こちらも過大な期待はしないほうがいいと思います。
そもそもマイルスの人生そのものが映画のようなものなのですから、その上に映画などつくらず、秀逸なるドキュメンタリー・フィルムをつくればいいと考えるのはワタシだけでしょうか。最後になりましたが、新刊『かんちがい音楽評論』発売中でございます。ぜひご一読ください。それではまた来週。