
来年、デビュー40周年を迎える妻・尾崎亜美は、自身の曲はもちろん、多くのアーティストにも楽曲を提供する人気シンガー・ソングライター。夫・小原礼は斬新なサウンドで日本のロックシーンを席巻した後、アメリカで第一線のミュージシャンたちと活動を続けてきた凄腕ベーシスト。常に日本の音楽界のフロントランナーでありつづける二人の結婚式は、驚きの連続だったという。
妻:まず当日の朝、ケーキ屋さんから電話が……。
夫:「ケーキが輸送中に壊れちゃったので、キャンセルでいいですか?」って。
妻:作り直す時間もない、っていうから、どこがどう壊れたのか、とにかく見せて、と。1段のケーキだったんだけど、上はきれいで、脇だけが壊れちゃってた。
夫:一番のびっくりは、牧師だったね。
妻:予定を1時間以上過ぎても来ないんです。
夫:電話したらダブルブッキングしちゃったと。「Oh! My God!」だって。冗談じゃない(笑)。
妻:困り果ててたら、たまたま列席者の中に、悪魔がいましてね……(笑)。
夫:聖飢魔IIのデーモン閣下なんですけど(笑)。
妻:悪いけど牧師さんやってくれる?ってお願いしたら、「魔界では牧師とはいわず司祭というのだが……」なんて、ごにょごにょ言ってるから、「わかった。何でもいいから、やって!お願い!」って(笑)。
夫:でも、いい悪魔だったよなぁ。準備も後片付けも手伝ってくれて。
妻:皿洗いまでしてくれたんですよ(笑)。
夫:力士からのビデオレターもあったよね。
妻:私が相撲好きで、力士のお友達も何人かいたんですよ。特に仲の良かった安芸乃島関(現年寄の高田川勝巳さん)がいろんな方からのメッセージをビデオにまとめてくれて。関取が最後に日本刀をすらっと抜いて「何かあったら、私が容赦しません」なんてね。アメリカ人大喜び(笑)。
夫:悪魔には八つ裂きにされるわ、力士からは日本刀で脅されるわ……どんだけ信用ないんだよ、俺(笑)。
※週刊朝日 2015年10月2日号より抜粋