消費増税は低所得者ほど負担が大きくなってしまう。その負担軽減策として世界では「複数税率」が主流だが、財務省はマイナンバー制度と莫大な税金を使った4千円還付という案を提示した。しかし、その際に買い物記録を集約する「軽減ポイント蓄積センター」の新設や小売店への端末設置にも税金はかかる。
ジャーナリストの斎藤貴男氏によると、新たなシステム開発費や端末機器の製造、団体の運営などにはNEC、東芝、日立、三菱電機、富士通、NTTデータといったいわゆる“ITゼネコン”、さらには外資コンサルティングのアクセンチュアらが予定されているという。
「これらITゼネコンに利権構造をつくろうとする財務省の思惑が透けて見えます」(斎藤氏)
この還付案はシニア世代にとってツラいものになりそうだ。還付を受けるにはパソコンやスマホでマイナンバーの専用サイトに入って申請する案が検討されているからだ。
「近年、独居老人も増えている。そういったお年寄りにPCだとかスマホで申請するなんてできるわけがない。財務省はわざと事務手続きを複雑にして消費者に負担をかけ、還付金をできるだけ少なくしようと狙っているのではないか、と邪推したくなるのも無理はありません」(同)
それだけではない。エコノミストの中原圭介氏は、次のように警鐘を鳴らす。