こうした草の根の動きは議員の間でも広まりつつある。愛知県武豊町議の本村強氏(62)は昨年6月、集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対する意見書を町議会で可決させたことをきっかけに、同9月に公明党を離党した。

「1990年代のPKO問題の時は世界への貢献のためと自分を納得させてきましたが、今回の安保法制は黙っていられなかった。池田名誉会長の著書『人間革命』の冒頭に『戦争ほど、残酷なものはない。戦争ほど、悲惨なものはない』とある。学会員なら誰でも読んでいます。戦争を引き起こしかねない法案に公明党が賛成するのは、矛盾している」(本村氏)

 28歳で入信し長年の会員だという本村氏だが、公明党の政策を公然と批判することには、大きな負担がともなった。

「党内からは私を除名しろという声も上がった。離党する時には、『あなた個人の票は得票の2%だ』と言われ、離党すれば組織票がなくなり次の選挙では勝てないと示唆された。しかし、私の動きに賛同し、陰で応援を続けてくれる会員もおり、春の統一地方選では何とか無所属で当選することができたのです」(同)

(本誌・小泉耕平、牧野めぐみ/今西憲之)

週刊朝日 2015年8月14日号より抜粋

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