安保法制をめぐって国会前や全国各地で広がるデモ。強行採決を受け、SEALDsメンバーの奥田愛基(あき)さん(23)は、「国民をなめている」と憤る。
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安保法制が可決された衆院本会議は、スマホで見てました。可決の瞬間の安倍首相のヘラヘラした顔、見ましたか? なんで笑えるのか、まったく理解できませんでした。人の生き死にに関わることを、そんな顔して決めてんじゃねぇ。
安倍政権は、国民をなめてます。「理解を深めれば」「審議を重ねれば」。ずっとそう言っていますが、説明されればされるほどわからなくなる。それは、具体的でもないし、論理的でもないからです。これほどまでに反対の声が広がっている。いい加減、あきらめてほしいです。
僕は、戦争を知らない世代ですし、今この瞬間に撃たれるというリアリティーはありません。けれど、普通に考えて、憲法9条が大事だし、安保法制はないほうがいい。「今の政治、なんだかおかしい」というシンプルな思いが募って、2013年秋、「特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL)」を立ち上げました。
勉強会をしたり、国会前でデモをしたりしていたら、あっという間に活動が広がりました。僕たち学生は、安倍政権に立派な対案を示せるわけではありません。けれど勇気を持って一歩踏み出してみたら、こうなった。同じ思いを抱え、声を上げたいと考えていた若者は想像以上に多かったということです。
国会前や渋谷で数千人規模のデモを仕掛け、ビールケースの上でマイクを握っています。制服を着た高校生も来てくれる。「3連休を挟めば、国民は忘れる」なんて思っているのでしょうか。馬鹿にしないでもらいたい。安倍首相に退陣してもらうまで、やりますよ。
※週刊朝日 2015年7月31日号