※イメージ
※イメージ

「筆談ホステス」として知られた東京都北区議の斉藤里恵氏(31)が6月25日、初めて議会の一般質問に立った。1歳で聴覚を失った斉藤氏の区議会デビューとあって、70の傍聴席はほぼ満席だった。

 ふだんの意思疎通には、筆談を使うことが多い。今年4月の区議選では6630票を獲得し、50人の候補者中、トップで初当選を果たした。選挙期間中、ボードでの筆談、名刺の配布は、公職選挙法違反の恐れがあった。初めての選挙戦は勝手がわからず、とても苦労したという。

「みなさまのご理解とご協力により、聴覚障がいというハンディキャップを乗り越えて議会活動が可能になりました……」

 緊張した面持ちの斉藤氏が登壇すると、議場に落ち着いた女性の声が響いた。読み上げソフトを使って、自分が書いた原稿を代わりに読み上げたのだ。

 質問は、区内の障がい者に対する広報、子育て支援サービスの向上などについてだった。

「障がいがおありの方からの声を聞く方法も検討すべきだと考えます」

次のページ