悲しいかな、当初、関係者の中に、その意味を知る人がいなかった。白紙も検討されたが、2週間ほどたつと、応援のメールも届きはじめた。浅田さんは言う。
「偶然にも“ゆるキャラ”ブームが到来しました。1カ月後には秋葉原から団体客が来たり、想像もできない事態になりました」
そして、漫画家の小島アジコさんから、801ちゃんを漫画のキャラに使いたいという申し出があった。
「また腐女子のイメージを強調するのではないかという不安もありましたが」
商店街加盟店の多数決で了承を得られて描かれた漫画『となりの801ちゃん』は、シリーズ累計95万部、瀬戸康史主演で実写化もされるヒット作になった。
漫画は中国や台湾などでも出版され、現在は、海外観光客にも人気のキャラと商店街になっている。
(田幸和歌子)
※週刊朝日 2015年7月3日号