もし平野氏が知事になれば、自民党は平野氏の立候補に伴う10月の参院補選、来夏の参院選の連勝も見えてくる。安倍首相からは早くも「総力戦で挑み、何としても勝つ」とのゲキが飛んでいるという。
一方、迎え撃つ小沢氏。平野氏出馬について「大いに結構。競争相手がいて県民が判断する形がいい」と余裕を見せた上で、「知事に適任なのは達増氏。全力で支援する」と応戦した。
ただし、自民、新生、新進、自由、民主などと渡り歩き、剛腕をふるってきた小沢氏も、今はわずか衆院2人、参院3人の「生活の党」代表。昨年の自身の衆院選では地元・岩手4区で自民候補に苦戦するなど、影響力も低下している。知事選に何が何でも勝利し党勢回復を図りたいところだが、地元ジャーナリストは「激戦になる」と予想する。
「平野さんは復興相のとき、県内の農地や漁港をこまめに回り手厚く支援した。感謝している人は多い。達増氏は2期8年、大きな失点がなく、大票田の盛岡市が地盤なのが強み。小沢氏も組織をフル回転させるでしょう。問題は民主党の支援を受けられるかどうか。前々回の衆院選で民主党現職がいる1区と3区に小沢氏は刺客を出した。しこりは残っている。小沢氏が詫びるなどして、距離を縮められるかどうかがカギです」
軍配はどちらに?
(本誌・一原知之)
※週刊朝日 2015年5月8-15日号