オリンピックで本当に使われるかどうかは… @@写禁
オリンピックで本当に使われるかどうかは… @@写禁

 茨城県つくば市で、305億円をかけて建設する「総合運動公園」計画を巡り、市を二分する騒ぎが起こっている。

「市原健一市長は議会で総合運動公園についての答弁で『東京オリンピックが開催されることは、つくば市にとっても千載一遇のチャンス』『練習の候補地としての活用も考えられる』などと発言していますが、オリンピックで本当に使われるかどうかは水物なんです」(反対派住民)

「総合運動公園」は陸上競技場や総合体育館、公園などを併せ持った施設。

 予定地はUR(都市再生機構)が所有していたが、市議会で66億円で購入することが昨年3月、決まった。

 だが、「総合運動公園建設の是非を住民投票で問うつくば市民の会」は、住民の○×方式の投票で建設の賛否を問いたいと、1万1700人の署名を集めた。これは議会にはかるのに最低必要だった3385人の3倍以上。前出の市民の会共同代表の松本栄次氏はこう憤る。

「305億円というのは、市の年間予算の45%にあたります。国の補助が得られるのかも未定。結局、市民につけがまわってくることになります」

 建設予定地の隣には、市長が経営するいちはら病院があり、病院の敷地内には「市原健一後援会事務所」もあった。3月19日の市議会では、新年度予算案から総合運動公園にまつわる費用5億6千万円を削除した修正予算案が13対12の賛成多数で可決された。

 今後、住民投票を行うか否か、議会にかけられるため、建設は一時凍結状態になっているという。市原市長を直撃した。

「今後、状況をみないとなんとも言えない」

 仮に住民投票を実施し、建設ノーと結論が出ても法的拘束力はないという。

「最終的には市長の判断に委ねられます。小平市(東京)のように、投票率が50%以上ないと開票しないという前例もありますので、楽観はしていません」(前出・松本氏)

週刊朝日 2015年4月10日号