
動物写真家の岩合光昭さんの、日本全国47都道府県の猫たちを訪ねる旅。今回は、石川県の「猫窓」。
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猫の写真を長年撮っていると、そこに猫がいるのか、いないのか、気配で分かる。
迷路のように入り組んだ金沢の路地は、加賀百万石を築いた前田家が敵の襲来に備えてつくりあげたという。猫と出会えそうな予感を感じながら、くねくねとした路地を進む。
ちょうど、身幅ほど開いた台所の窓から、両手を行儀良く揃えたメスと目が合う。「一見(いちげん)さん、にゃにか?」と言わんばかりの顔つきに、微笑み挨拶をする。一期一会を大切に、今日もまた猫に会いに行きます。
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※週刊朝日 2015年2月13日号