イスラム国への支持を表明したインドネシアのイスラム過激派「ジェマ・イスラミア」の創設者、アブ・バカル・バシル受刑者(76=服役中)が、共同通信のインタビューに応じた。
「イスラム国に対し、欧米と連携する日本も攻撃対象になる可能性がある」との認識を示したのだ。
すでにイスラム国にはインドネシア人義勇兵が参加していることも確認されており、今後は日本も単に「対岸の火事」と傍観できなくなるという。
イスラム国の今後の動きは、ある「勢力」に大きく左右されそうだ。
それは、旧サダム・フセイン政権時代の軍人のグループである。
アメリカ国防総省は12月18日、空爆によってイスラム国の複数の幹部が死亡したと発表した。氏名は公表されていないが、米メディアによれば、ナンバー2のアブムスリム・トゥルクマニも含まれるという。
彼はサダム・フセイン時代にイラク陸軍情報部で中佐だった男で、謀略工作のプロ。イスラム国躍進の黒幕ともいえる人物だ。
彼はイラク戦争後の米軍占領時代、米軍に拘束され、そこでイスラム国の現・最高指導者アブバクル・バグダディと出会った。トゥルクマニが組織に加わったことで、イスラム国は単なるテロ組織から、戦闘のプロ集団に生まれ変わった。
今回、その立役者が死亡したわけだが、イスラム国にはトゥルクマニが引き入れた「謀略工作のプロ」がまだ多く残っている。次にどう出るか……。
(本誌取材班)
※週刊朝日 2015年1月2-9日号