役者人生で、朝ドラの主演は一度しかない。その覚悟をかみしめ、連続テレビ小説「マッサン」で、史上初の海外からのヒロインと、国産ウイスキーづくりに挑む夫婦を演じる玉山鉄二。
過酷な撮影に入って4カ月、体重は10キロ以上減っていた。喜怒哀楽の激しい熱血漢の主人公として、これまで見せたことのない顔を見せる。
「僕に対して“冷たそう”とか“無口”だとかいうイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが(笑)。ぶち壊していきたいですね」
俳優として「何も残せてないのでは」と考えた時期もある。30代に入り、悩むことはチャンスだと思う。
「役者に限らず、男性は大きな山をむかえる時期があると思うんです。そこで本物志向でいくのか、今までどおりにごまかしながらいくのか。悩んでいる時期に絞り出される何かを、楽しみにしている自分がいます」
彫刻のようなクールな眼差しに、熱がこもった。
※週刊朝日 2014年10月3日号