次に【自分が加入する年金制度を確認する】。

 年金が上乗せされる仕組みは働き方によって違う。

 1階は全員が共通して加入する「国民年金」。その上の2階には、サラリーマンなら厚生年金が、自営業者なら任意加入の国民年金基金やDC(個人型)がある。3階部分はサラリーマンなどにしかなく、解散する企業が増えている「厚生年金基金」や、企業が一定の受取額を約束する「確定給付企業年金」、そしてDCだ。

 このようにDCは働き方によって加入できる人が限られるほか、掛け金の限度額も異なる。

 一般的には、大手企業のサラリーマンや公務員は十分な年金がもらえるとされているが、問題なのは企業年金がなかったり企業年金が思っていたよりも少なかったりするサラリーマンや自営業者など。掛け金の額や運用先を慎重に選ぶ必要がある。

 そもそもDCは公的年金と同様60歳まで加入して、60~70歳の間で一時金か年金形式か、受け取りを開始しなければならないが、原則60歳まで引き出せない。このため掛け金は、現在の暮らしに支障がない額が望ましい。

「60歳まであとわずかしかない人は、あまり無謀な投資をせず、元本が確保されている預貯金などで運用したほうがいいでしょう」(深野氏)

週刊朝日  2014年8月15日号より抜粋