逮捕以降、否認していたASKA(本名・宮崎重明、56歳)がついに覚醒剤使用について、「SAY YES」と歌いはじめた。一方、ASKAとともに逮捕された謎めいた美女、栩内香澄美(とちないかすみ)容疑者の素性も、逮捕時にパソナグループの協力会社であるメンタルヘルスケア会社、セーフティネットの正社員として働いていたなど、次第に明らかになってきた。

 ASKAと栩内容疑者が出会ったとされるのは、元麻布の高級住宅街にあるパソナグループの「仁風林」という施設だ。

 江戸時代、旗本のお屋敷だったその敷地は、塀と鬱蒼(うっそう)とした木々で周りを囲まれ、謎めいた雰囲気を醸し出していた。

「仁風林」に出入りした外資系企業経営者の証言。

「簡単に言えば、パソナグループの代表、南部靖之さんのサロンです。中は邸宅のような雰囲気で、私が行ったときには鉄板焼きのお店がありました。料理人を呼んで振る舞うこともあった。宴会になると、30代くらいのきれいな女性十数人が配膳をしてくれ、お酒の相手もしてくれる。泥酔した客と一緒に女性がハイヤーで帰っていく姿を見たこともあります。栩内さんはパソナ関係者にスカウトされ、出入りするようになったと聞いたことがあります」

 南部氏と栩内容疑者を知る経済界の重鎮が語る。

「私は南部君とは古い付き合い。栩内君も20代の半ばから知っています。南部君と食事したとき、栩内君を一緒に連れてきたのが縁で、知り合いになった。2人は変な関係ではなく、彼の秘書のような仕事をしていました。『仁風林』にも来ていましたよ。人柄のいい清潔感あふれる子だったので、今回の事件を知って、心が痛いです。悪いことをするような子じゃないと今でも思っています。何かの間違いがあったのでしょう」

 南部氏と親しい国会議員によれば、「仁風林」には政、財、官だけでなく、各国の大使館の要人、大物芸能人など各界のVIPが訪れており、ASKAもそのひとりだったという。

「よく来ていた芸能人はASKA、津川雅彦、桂文枝。政治家では前原誠司、中川秀直両氏などで、あと米国のルース前大使も招待されていた。悪の巣窟のような報道をされていますが、異業種交流できる貴重な場です。ASKAには何度かお会いしたが、最近は来ていなかった。最後に見かけたのは約3年前で、スターのオーラは感じなかった」

(本誌取材班=今西憲之、福田雄一、牧野めぐみ、馬場勇人、作田裕史)

週刊朝日 2014年6月6日号より抜粋