昨年ブレークして以来、いまだ、世の中の男を虜にする壇蜜。俳優で演出家の河原雅彦氏も、その全てに一目ぼれし、「彼女の存在自体が痛快以外のなにものでもない」と絶賛する。

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 普段から気になちょるどころじゃなく、自分の中では完全に愛(め)でる対象になっているためここまで触れずにきましたが、先頃、仕事を通じて念願の初対面を果たし、改めてその魅力にKOされたこともあり、「いいや、この際思いの丈をぶちまけてやれ!!」っつうことで『壇蜜』です。

 もうね、何から書いていいやら……「ハァハァ」が止まらないですマジで。

 最初にその勇姿を拝見したのは、確か「週刊SPA!」かなんかのグラビアだったと思ふ。劇画的四畳半エロスをどっぷり漂わせるオーラにふと目が止まり、そこに間髪入れず飛び込んできた“壇”と“蜜”の2文字。グラドルのキャッチフレーズにしてはあまりに難解な響き……なのに妙にそそられる……なーんて思ってたら、“壇”は仏壇を、“蜜”はお供え物を表した芸名だって言うじゃあーりませんか! 今更を百も承知で言いますけど、普通、思いつきます? この絶妙なボキャブラリー! かつて葬儀の専門学校に通っていた縁で自身が命名したというこの芸名の由来は、今では広く認知されるところになりましたが、当時はまだ「何者???」感満載でしたから。つか、完全にそれしかなかった! とにかく、ダダ漏れのエロスと文学的インテリジェンスを見事に融合させたこの離れ業を前に、ぼかぁ完全に恋してしまったわけです。で、その後、気にして追っかけてみると、出るわ出るわの俺好みエピソード!! 『小学生時代に読んだゴルゴ13で性に関心を持った』『中学生時代のあだ名が“愛人”だった』『初主演映画でノーカット剃毛シーンを披露した』etc. etc.……。「何者???」が「完全にただ者じゃない!!!」の確信に変わるまで、さほどの時間はかかりませんでした。

 その後も、樹液のように滲み出るエロスオーラはそのままに、おっとり口調とエスプリが利いた発言のギャップが大ウケし、地上波に続々登場。大人気ドラマにも出演したりと瞬く間に時の人に。「オナペットになりたくてこの世界に入りました」って言ってたアングラなグラドルが、『日本一奇麗な隣のお姉さん』とまで称され、こんなにも堂々と市民権を勝ち取るだなんて……。もうね、彼女の存在自体が痛快以外のなにものでもないですよ。確実に世間一般のエロの間口を広げたというか。これってめちゃめちゃ難易度高いと思うんスよね。これまでもエロを売りにした女性タレントは多々おりましたけど、どんなに明るく振る舞われても、どっか悲愴感というか、背徳感を感じなかったスか? 「彼女達に罪はないけど、なんとなく受け入れ難いわぁ」みたいな。そこいくと壇蜜は本当にスペシャル! 罪深さすら芸に変換する荒業をしれっとやってのけたのですから。

 ちなみに、只今、絶好調の女芸人・大久保佳代子のドエロネタが世間に受け入れられたのも壇蜜あってのことだと思うんですよ。事前に敷かれていた壇蜜クッションがなかったら、大久保さんのアレは永遠に放送事故扱いだったと思うもの。

 やー、書けば書くほどひしひしと偉大さを実感するわ……。

 そんなこんなで次回は、直接お会いした時に感じた壇蜜の凄みについて触れていきたいと思いまっす。ハァハァ。

週刊朝日  2014年3月7日号