丸岡いずみさん(左)と林真理子さん(右奥) (撮影/写真部・山本友来)
丸岡いずみさん(左)と林真理子さん(右奥) (撮影/写真部・山本友来)

 可愛らしい笑顔で“奇跡の38歳”と話題になった元日本テレビニュースキャスターの丸岡いずみさん。小説家の林真理子さんとの対談で、写真週刊誌と大ゲンカした過去を語った。

*  *  *

林:男性にも人気があって、週刊誌のグラビアによく載ってましたよね。自分からじゃなくて、勝手に載せられていたグラビア(笑)。

丸岡:ハハハ、勝手にグラビア。

林:警視庁記者クラブの汚れたソファで毛布にくるまって寝ていたのが、突然アイドルみたいになっちゃったわけですよね。

丸岡:そうですね。警視庁担当記者時代はある意味、戦場のようなところだったので、早く出たいとは思っていたんですけど、あまりにも差が激しすぎましたね。違う自分が独り歩きしているような感じでした。

林:「女子アナブーム」とかいって、かがんだときに胸が見えたとか、誰かと歩いていたとか、しょっちゅう週刊誌に載っていましたけど、ああいうのはどうでした?

丸岡:けっこう神経がすり減る出来事でした。ただ歩いているだけなのにパシャッと撮られて、「高級美容室に行っている」と書かれたり。ただ、私、警視庁を担当していたときのサガで、クルマのナンバーをメモしていたんですよ。「フライデー」は〇〇〇番、「女性セブン」は〇〇〇番とか。だから自宅前に張られていると、「あ、フライデーが来てる」ってすぐわかってしまうんです(笑)。

林:アハハハ。

丸岡:そうやって撮られないようにがんばっていたんですけど、それでも撮られたときは、私の場合、「記者なのにやられた!」という気持ちでしたね。撮られないように、私は記者としてクルマの番号までひかえていたのに、それを上回ったその記者の腕の確かさが悔しいというか。

林:ああ、なるほど。

丸岡:載ったらとにかく悔しくて、上司に言い訳ばかりしていました。広報から「明日発売の週刊××にこういうのが載るよ」みたいな感じで早刷りが回ってくると、カーッと血がのぼって、「私はこんなに撮られないよう気をつけていたのに、こういう理由で……」みたいなことを、上司にすごい勢いで言っていました。

林:そういうのは許せないタイプなんですね。

丸岡:そうなんです。一回、写真週刊誌と大ゲンカしました。書いた記者にジカデン(直電)したこともあるんです。携帯番号を調べて、本人に直接電話したんです。

林、おー、記者魂ですね。

丸岡:ワーッと言い合いになって、でも冷静になってみると、向こうはそのことでもう一回記事にできるじゃないですか。「しまった!」と思ったんですけど、それでも言わざるを得ないという性格なんです。

週刊朝日 2014年1月17日号