約1年9カ月の服役を経て“シャバ”に戻ってきたライブドア元社長の堀江貴文氏。プロデュースしたスマートフォンのアプリを紹介しつつ、スマートフォン時代に必要なことについてこう語る。
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自分でいうのもなんですが、私がプロデュースしているグルメキュレーション「TERIYAKI」はグルメ初心者から玄人まで、おススメのアプリだ。
厳選した当初18名のキュレーターさんが自ら自腹で食べ歩いた結果、うまいと思った店だけを写真中心に紹介するというグルメ垂涎のアプリである。イメージとしては、グルメ雑誌や写真週刊誌のグルメコーナーが自在に検索できる感じだ。
当初数百軒の掲載から始まったが、日本全国津々浦々のおいしい店が網羅されていて、今後は英語版、中国語版などの多言語化、さらには世界展開も考えている。そのために世界的に有名な日本語である「TERIYAKI」をアプリ名にしたのである。
日本は、すでに世界一の美食の国だと私は思っている。東京は世界一の美食の街といっても過言ではないだろう。21世紀のグルメ情報はミシュランガイドに代わって、TERIYAKIがナンバー1になるという思いを込めているのだ。
さて、日本で有名なオンライングルメガイドとしては「食べログ」「ぐるなび」などが挙げられるが、例えば「食べログ」は一般ユーザが投稿することによって成り立っているサイトだ。玉石混交の状態で、お店の評価も味以外、例えばコストパフォーマンスや雰囲気なども総合評価に含まれているし、ノイズも多い。
お店の情報を検索するためのディレクトリーサービスとしては利用価値は高いが、おいしいお店をもれなく探せるかといえば、なかなか完璧とは言い難いのではないか。私やキュレーターさんがおいしいと思った店も評価が異常に低いことも珍しくなく、疑問符がつくこともしばしばだ。
そんな不満を解消するために始めたTERIYAKIサービスだが、このようなサービスは横展開できるんじゃないかなと感じている。ネットにあふれた口コミ情報から本当に必要な情報を取り出すキュレーションが必須のプロセスになりつつあるのが、スマートフォン時代なのである。
例えば私たちが企画しているのは、グルメキュレーターによる「お取り寄せグルメ」のサービスである。全国津々浦々のおいしい食品を気軽にネット通販で購入できるサービスだ。楽天なんかを見ればやはり玉石混交なのでキュレーターの役割が大きくなっている。
ほかにも例えば、スナックのキュレーションサービスもおもしろいかもしれない。一見、地方の場末のスナックなのだけど物凄くおもしろいママがいるとか、料理が意外にうまいとか、そういう部分をスナックの達人が紹介するなんてのもおもしろい。
インターネットがスマートフォンによってほとんどの人たちに広まったことで、キュレーションのニーズが増している時代になってきているのだ。
私が提示した以外にもさまざまなサービス、アプリが続々とリリースされていくに違いない。それも最初から世界を視野に入れたアプリが評価されるだろう。多くの起業家たちがそれを牽引していくことだろう。期待したいものである。
※週刊朝日 2013年11月29日号