猫好きを悶えさせている“猫島”がある。瀬戸内海に浮かぶ、小さな楽園に上陸した。
住民15人に猫100匹…。青島(愛媛県大洲市)は、いくつかある「猫島」の中でも最強の「猫密度」を誇る。朝夕2便の渡し船で45分。小さな港に下り立つと、さっそく、猫たちの出迎えを受けた。
商店はもちろん自動販売機さえないこの島が、突如、注目を集め始めたのは、今年9月。インターネットで紹介されたのをきっかけに、全国から猫好きがやってくるようになった。島民は猫好きが半数。猫嫌いが半数。「でも、なんとなく共存してきた」と少々困惑気味だ。
猫たちは、もらえる餌はもちろん積極的にいただくが、基本、以前と変わらぬ「ワイルドな生活」を送っている。釣果のアジを失敬して、釣り客と追いかけっこ。時には逃げ損なって海に転落。「犬かき」ならぬ「猫かき」で返ってくる、なんて光景も。
もうすぐ冬の到来だ。寒くなれば淘汰され、春になると子が生まれる。自然の掟で「適正数」が維持されているという。
※週刊朝日 2013年11月15日号