絶賛放送中の朝ドラNHK連続テレビ小説「あまちゃん」。劇中で震災後の被災地が描かれることでも話題となっている同作だが、そのシーンについて主人公の能年玲奈さん(20)と古田新太さん(47)が語った。

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――これから劇中で震災の話が描かれます。お二人は2011年3月11日、どこにいらっしゃいましたか?

能年:私は帰宅途中で、寮の近くを歩いていたんですけど、ビルから叫びながら出てくる人がいて、それで揺れているのに気づいてびっくりしました。

古田:寮なら仲間もいたんだ。よかったね。一人だったら不安だろうなあ。

能年:怖かったですね……。東北のロケで被災地にはうかがったりしたんですけど、怖くて(地震のことは)直接は聞けなかったです。でも小袖(こそで)海岸(岩手県久慈市)の海女さんにはお聞きしました。アキがウニを獲る練習をした実演場の近くの海女センターが流されちゃって、大変だったとおっしゃっていました。

古田:僕は、ちょうど不整脈の手術で3日間くらい入院して退院したとこだったんです。「やっと吸えるわ~」って、たばこに火つけて、ビールの缶をプシュッて開けた瞬間にゴゴゴゴゴッてきた。家にある水槽を必死で押さえてましたけど、飾ってあるフィギュアがどんどん倒れて……。でも前日だったら手術中だったのかも、と思うとビビりました。

――出演者として震災のシーンに対して思うところは?

古田:特に意識はしてないですね。当時は誰もそんなことがあるとは思わずに生きていたわけですからね。役で芸能事務所社長をやってますけど、現実に震災のとき、芸能界全体が「どうする!?」となりましたからね。これから震災がどういうふうにドラマで描かれるのかはわからないけど、「あまちゃん」のことですから、「みんな元気で生きていこうよ」となると思うんですけどね。

能年:みんなを元気づけられたら、と思います。

古田:被災地の方々も「大丈夫ですか?」ばっかり言われてても気が滅入っちゃう。それより朝の15分間だけでも明るいアキちゃんを見て「がんばれ!」「太巻殺す!」とか思ってもらえればいいんです。(笑い)

週刊朝日  2013年8月16・23日号