8月24、25日に日本テレビ系で放送される開局60周年記念番組「24時間テレビ36 愛は地球を救う」でメインパーソナリティーを務める国民的アイドル・嵐。8月でメンバー全員が30歳を超えるという節目の年にちなみ、自分やグループの未来についてメンバーの櫻井翔さんに話を聞いた。

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 60歳の自分なんて想像したこともないけれど、孫の一人くらいいてほしいですよね。(笑)

 何より仕事ができていたらいいですね。いま公開中の映画「謎解きはディナーのあとで」でも共演させていただいている、大好きな先輩の中村雅俊さんは62歳なのに、実年齢よりずっと若く見えます。66歳の小倉智昭さんにしてもそう。テレビ業界などで、ハードに仕事をされている方はみなさん若い。

 僕もそんなエネルギーにあふれ、かつ、かっこいい60代になりたい。その年齢になっても、疾走できていればいいですよね。じいちゃんに見えないじいちゃんになっていたい。でも、60代の僕らがコンサートを開いたとして、お客さんがそれを見たいかどうかはまた別の話になると思うんですけどね。(笑)

 とはいえ、いまは日々と向き合うことで精一杯なので、遠い未来のことはわからないです。何らかの目標を立ててやっていくというよりは、毎日毎日、仕事としっかりと向き合って、一歩一歩あるいていくということしか考えられないんです。僕ら嵐は、たぶんみなさんの想像よりはドライな間柄で、べったりしたところはないんです。綿密に打ち合わせているわけじゃないのに、たまたま同じ方向を向いている。それが僕らの稀有(けう)なところで、貴重な関係性なのかなあって思います。四六時中肩を組みながら歩いているのではないからこそ、ときにまわりから強いきずながあるように見えるのかもしれない。

 
 今回の24時間テレビの企画で、岩手県の中学校を訪ねました。東日本大震災で、卒業式が中止になった学校があって、当時の2年生がテレビを通じて、3年生に歌を贈る、僕はそのサポート役を務めることになりました。いまは別の場所で暮らす卒業生が、テレビを見れば、どこにいても後輩たちの歌を聞くことができる。テレビというメディアの持つ力をあらためて感じています。

 もう一つ、大野とチャリTシャツ(番組オリジナルTシャツで販売収益金は寄付される)をコラボしてくださった草間彌生さんを昨年末、「NEWS ZERO」で取材させていただいたんです。あらためて草間さんのすごさを感じていたところだったので、そんな偉大なアーティストとメンバーの一人が一つの作品をつくりあげたというのが、とても誇らしいんです。すごいところにいっちゃったなって。

週刊朝日  2013年8月16・23日号