皇太子妃雅子さまの療養が10年目に入った。最近では「回復の兆し」が見えてきたというが、一方で一部の宮内庁関係者からは治療方針に対する疑問の声もあがっている。
雅子さまの長い療養生活への出発点は2003年12月4日。40歳の誕生日を5日後に控え、帯状疱疹を発症して入院したときだった。
そのまま回復せず、翌年の3月には、雅子さまの実家である小和田家が所有する長野県内の別荘で1カ月の静養生活を送った。警備を担当した当時の関係者は、こう振りかえる。
「雅子さまは精神的にひどく混乱しており、母親の優美子さんでもなだめることができないほどでした」
この少し前からは、雅子さまの精神面を担当する医師探しも始まった。選ばれたのは、いまも治療を担う現国立精神・神経医療研究センターの大野裕・認知行動療法センター長だ。大野医師は6月から正式に主治医となり、7月30日には「適応障害」の診断名が発表された。
大野医師の治療方針は、好きなことを自由にしてもらうことが、回復への第一歩になるというものだ。それまでの雅子さまは、皇室になじもうと努力していたが、この方針に沿って徐々に公務などが減っていったため、宮内庁の中には懐疑的な見方もある。
「公務をなさらなくなったことで、皇族としての雅子さまの姿が国民から見えなくなってしまいました。私的な外食や遊びを自由にさせるという治療方針が、雅子さまを皇室の中の異質な存在として、浮き上がらせてしまったように思えてなりません。大野医師は、患者である妃殿下に意見することもなかったのでしょう。雅子さまの物の考え方に、他罰的な傾向も強まってしまったように感じます」(宮内庁関係者)
※週刊朝日 2013年1月4・11日号