料理研究家の柳谷晃子さんは、大好きな漬物の一つに「すぐき漬け」を挙げる。蕪の仲間であるすぐき菜を漬けたもので、千枚漬けやしば漬けと並ぶ、冬の京都の代表的な漬物だ。このすぐき漬けには意外な効用があるという。

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 植物性乳酸菌「ラブレ菌」は、すぐき漬けから発見されました。免疫機能の低下を軽減する作用があり、便秘や冷え、肩こり、腰痛などの更年期症状を軽くする働きがあると言われています。

 発見者で、ルイ・パストゥール医学研究センターの設立者でもある故岸田綱太郎博士はこの菌を、愛情をこめて「ラブちゃん」と呼んでいたそうです。

 すぐきの他にも、きゅうりや白菜、蕪、ナス、大根、葉物類、ウリといった野菜は、乳酸発酵の漬物に向いています。

 すぐき漬けは時間が経つと酸味が増すので、チャーハンの具や野菜妙めに使うのもおいしそう。自分流の食べ方を見つけて楽しんでください。

週刊朝日 2012年12月14日号